ある休日の夜、映画館を出てそのまま家に帰りたくなかったとき友人に電話をした。彼女はすぐに家に来てもいいと言い、わたしはスーパーでポテトチップスとコーラを買って彼女の家へと向かった。

彼女の家に着いてすぐ、もうひとりの友人がやってきた。彼女もわたしと同じく、自分の家に帰りたくなかった。彼女は男の子と一緒に住んでいて、その日は彼と喧嘩をしたようだった。

わたしたち3人は、ポテトチップスをつまみながらパスタを茹で、食事の後はカードでゲームをして遊んだ。今夜は3人ともこの部屋で寝て、明日の朝は一緒に学校へ行こうと話した。

彼氏に会いたくないため家に帰れないでいる方の友人は生理中だった。彼女は彼から「生理だからってキレやすくなってるでしょ」と言われたことに対してキレていた。わたしたちは彼女が持ってきていた大量のチョコレートを一緒になって食べた。ゲームは何度も「今誰のターンだっけ?」となり、同じ数字と同じ色のカードを並べるだけのセラピーのようになっていた。

彼氏に会いたくない彼女はわたしたちに言った。
「彼が本当にわたしにとって最高のパートナーなのか分からない」

わたしは少し考えたあと「違うんじゃない」と言った。もう一人の友人は「分からない」と言った。

彼女はすべてのチョコレートを食べ終えると、家に帰ると言いだした。わたしは3人で朝まで遊ぶつもりでいたのでがっかりして、彼女が家へ帰るなら自分も帰ろうと思い、まだ遊び足りない気持ちのまま帰宅した。

翌朝、学校で二人に会った。二人とも元気そうだった。昨日の夜チョコレートを食べ過ぎた彼女は、「今週わたしが昼休みにホットチョコレートを飲まないように見張っててほしい」と言った。わたしは「分かった」とだけ言い、今週自分がホットチョコレートを飲むときは彼女に隠れて飲む必要があるのかどうか質問しようとしたが、口を開いた瞬間に自分の質問が馬鹿らしく思え、「昨日、彼のことを最高のパートナーじゃないなんて言ってごめん」と言った。彼女は「わかってるよ。最高のパートナーなんかいないよね」と言った。

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以上の話は、心に残っていた今年の冬のはじめの出来事です。
「Sister Magazine The Winter Issue 2017」は本日で終了です。お楽しみいただけたでしょうか?わたしは記事を掲載する立場にいたので、皆さんに送っていただいた記事をすべて読むことができ、アイキャッチに描いたイラストの女の子たちとともに毎日ひとつの記事を大切に送り出すような気持ちでこの1ヶ月間を過ごしました。
すべての記事を掲載できず申し訳ない気持ちでいっぱいですが、最終日はどんな記事を載せようか考えていた時、冒頭の出来事が頭に浮かんできて、自分で書きたくなったので書かせてもらいました。

なぜ最後にこの話を載せたかったのか自分でもうまく説明できる自信はないのですが、皆さんから送られてきた記事を読んでいて多く感じたのが「人とのつながり・孤独」でした。自分が気づかないうちにそのことを多く考えているからそう感じただけかもしれませんが、記事だけでなく実際の生活でも「SNS疲れ」「孤独死」などがよく耳に入るようになった気もします。そのような中で、わたしはこの話をしたいと思いました。

これはわたしが一人で新しい街へ引っ越してきたばかりのときの出来事で、学校の友人たちも一人暮らしで同じ状況にある人が多く、みんな何か問題があるときも、ないときも、お互いを頼りながら生活していました。特に女の子たちは女の子同士でしか話せない・話したくないことも多く、冒頭の出来事もその一部分だったと思います。わたしたちはこの時タイミングが良く、家に帰りたくなかったときに自宅へ迎え入れてくれる友人がいましたが、すべての人生でこのような機会に恵まれているわけではないということを知っています。そのようなとき、わたしには天井を見つめて孤独と向き合うだけでなく、本を開いたり音楽を聴いたりと、様々な“何かとのつながりを確認するため”の選択肢がありますが、その中のひとつに“インターネットを開く”というのがあります。


インターネットの中にはたくさんの人がいて、簡単に誰かとのつながりを目にすることができます。そのあまりの簡単さにありがたみがなくなり、インターネット上のつながりを現実の人間関係と比較して魅力がないように感じてしまうこともありますが、わたしは全てがそうだとは考えていません。なぜなら、家族や友人には話せないこともインターネットの中の人には話せたり、ずっと苦しくてどうしようと悩んでいたこともInstagramにアップロードされた子犬の画像を見るだけで全てが解決されたりするからです。

わたしたちは寂しいとき、悲しいとき、怒っているとき、楽しいとき、エネルギーに満ち溢れているとき、それが誰かを傷つけることでない限り、何をするかを自分で決めることができます。(そうだと願っています)選択肢は決して一つではなく、自分以外の誰にも決められるべきものではありません。また、完璧である必要もありませんし、逆に完璧であってほしい人が完璧でない現実に直面する場面もあります。

あの日わたしが急に友人の家に行きたくなったように、彼氏と喧嘩をした友人が彼氏に求められないものをわたしに求めてくれたように、わたしたちは手探りで他人とのつながりのバランスを取ることが許されているのではないでしょうか。その選択肢の一つとしてSister Magazineが存在することができれば、わたしはこの活動をしていてこれ以上嬉しいことはありません。

改めて、今回の運営のためにクラウドファンディングでご支援くださった方々、日頃より協力・参加してくださっている皆さまに感謝申し上げます。
次のSister Magazineの活動は未定ですが、またすぐにお会いできるのを楽しみにしています。

Sister Magazine 編集部 ほのか